4,肘と手首のケガのメカニズムと対処方法について
さて、今回は肘関節から手関節といういわば腕というテーマでお送り致します。
手や腕は非常に細かい動きをしますよね。緻密な動きをする肘~手首までの怪我をまとめました。
1,肘関節について
さて、肘関節は肩と手首を繋ぐ大切な関節です。
よく起こる障害として、野球、ゴルフ、テニスが上げられますね。では、じっくり見ていきましょう。
主な骨について
- 上腕骨:内側/外側上顆、肘頭窩
- 橈骨:尺骨粗面、肘頭
- 尺骨:橈骨粗面
主な関節について
- 上腕尺骨関節
- 上腕橈骨関節
- 碗尺関節
肘関節(上腕骨+尺骨+橈骨)
橈尺関節(尺骨+橈骨)
主な靭帯について
- 内側側副靭帯
- 外側側副靭帯
- 橈骨輪状靭帯
主な動きと筋肉について
屈曲:上腕筋、上腕二頭筋、腕橈骨筋
伸展:上腕三頭筋、肘筋
回外:回外筋、
回内:円回内筋、方形回内筋
主な神経・血管について
- 橈骨神経
- 正中神経
- 尺骨神経
主な傷害・障害について
- 離断性骨軟骨炎
メカニズム:関節面に強い圧迫が繰り返し加わることで、一部の関節軟骨がはがれる。それが関節内に遊離する。
所見/症状:投球の際に肘の外側が痛む。
応急処置 :RICE
スポーツ :野球
- 肘頭骨端線離開
メカニズム:投球の繰り返しにより、肘頭に牽引ストレスがかかり離開する。
所見/症状:投球の際に肘の肘頭が痛む。
応急処置 :RICE
スポーツ :野球
③変形性肘関節症
メカニズム:肘の使いすぎ。または加齢により関節の軟骨が磨り減る。
所見/症状:肘の可動域制限、握力の低下。
応急処置 :RICE
スポーツ :
④内側側副靭帯損傷
メカニズム:投球動作の繰り返しによって、内側にストレスがかかる。
所見/症状:投球時の肘内側の痛み
応急処置 :RICE
スポーツ :柔道やコンタクトスポーツ、オーバースロースポーツ
⑤肘関節脱臼
メカニズム:肘関節の過伸展。
所見/症状:疼痛。自動運動の不可。肘頭の突出。
応急処置 :固定。RICE
スポーツ :コンタクトスポーツ
⑥テニス肘
メカニズム:フォアハンドストロークによる外反ストレスの繰り返し。
所見/症状:握力の低下。または、日常生活レベルにおいて支障をきたす。
応急処置 :rice
スポーツ :テニス
⑦尺骨神経傷害
メカニズム:肘周囲筋の使いすぎによる神経の圧迫
所見/症状:薬指、小指のしびれ。握力低下
応急処置 :RICE
スポーツ :テニス、ゴルフ、野球など。
2,手関節について
手関節は非常に骨が多く細かい動きを行う関節です。ここでは特に靭帯や軟骨の障害が多いように感じます。
主な骨について
- 橈骨:橈骨茎状突起
- 尺骨:尺骨茎状突起
- 舟状骨
- 月状骨
- 三角骨
主な傷害
①橈骨遠位端骨折
②舟状骨骨折
主な靭帯について
- 内側手根側副靭帯
- 掌側橈骨靭帯
- 掌側手根靭帯
主な傷害
①手関節捻挫
②TFCC損傷
主な関節について
- 橈骨手根関節(橈骨、舟状骨、月状骨、三角骨)
- 下橈尺関節(橈骨、尺骨)
主な動きと筋肉について
屈曲・・橈屈手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋
伸展・・尺側手根伸筋、尺側手根伸筋、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋
橈屈・・橈屈手根屈筋、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋
尺屈・・尺側手根屈筋、尺側手根伸筋
主な神経/血管について
- 正中神経
主な傷害例)
①手根管症候群
主な傷害・障害について
* 橈骨遠位端骨折(コーレス)
メカニズム :転倒した際に手首の背屈の強制、過度の捻転が加わる。
所見/症状 :腫れや痛み。変形する場合がある。
応急処置 :固定、RICE→病院
スポーツ :コンタクトスポーツなど
- 舟状骨骨折
メカニズム :転倒した際に手首の背屈の強制+橈屈位で起こる。
所見/症状 :スナッフボックスの腫脹、圧痛。
応急処置 :RICE→病院
スポーツ :コンタクトスポーツなど
- 手関節捻挫
メカニズム :過度な背屈や掌屈。
所見/症状 :圧痛や背屈や掌屈の動きの痛み。
応急処置 :RICE
スポーツ :チア、野球
- TFCC損傷
メカニズム :手関節捻挫に準ずる。
所見/症状 :回内、回外にて痛む。
応急処置 :
スポーツ :
- 手根管症候群
メカニズム :手の使いすぎ等で正中神経が手根管で絞扼される。
所見/症状 :中指のしびれ。感覚低下
応急処置 :
スポーツ :
3,まとめ
さて、如何でしたか?
肘では筋肉由来の怪我が多く、手首では骨が多いが故の靭帯損傷が多いように思います。いずれにせよ、日ごろのケアとトレーニングは必須かと思います。
是非、ご自身のケアやトレーニングに活かして下さいね。