熱中症の症状で発症する頭痛について
熱中症のメカニズムと症状についてお伝えしていきます。毎年といっていいほど熱中症にかかるというニュースが夏は多いですね。
しかし、熱中症とは何か?どのようなメカニズムでなるのか説明している情報は少ないです。そこで、今回は熱中症とは何か?解説していきたいと思います。
- 先ず熱中症の予防で思い浮かぶことは?
- 水分補給をしても熱中症を防げないケース
- 体温調整について知ろう
- 体温調整のメカニズムについて
- うつ熱に対する処置
- 熱中症を防ぐための8か条
- 身体を冷やすことの大切さ
- まとめ
1、先ず熱中症の予防で思い浮かぶことは?
皆さん、熱中症を防ぐために何をしますか?
まさに予防の部分です。
または、どのような行動をとったり、何を伝えますか?恐らく、水分補給ですよね?
もちろん、間違いではないです。
ですが、ちょっと待って下さい。
実はそれだけでは足りないんですね。
2、水分補給をしても熱中症を防げないケース
水分補給だけをしても、熱中症になったというケースがあります。よく夏フェスなどで聞いたりします。
そもそも、熱中症とは体温調節機能がコントロール不能になり、体温が上昇してします障害の事を指します。
その為にも、先ずは体温調整機能が何か?どのようなメカニズムで働くか知る必要があります。
3.体温調節について知ろう
先ず、人間の体温はどれくらいでしょうか?
だいたい37度ぐらい(日本人の平均体温は36.89±0.34℃です)です。
豆知識:腋下温での体温測定は大体、10分以上しないと本当の体温は分からない。
では、どこで調整されているのかでしょうか?
それは、、、
脳です。
=脳は37度が丁度良い温度です。という事は体温調整で大切なことは、脳の温度を常に一定に保つ事です。
4、体温調整のメカニズムについて
1,こんなお話ご存じですか?
18世紀も終わりに近づいた時、ロンドンのチャールズ・ブラグデン会長は、数個の卵と一枚のステーキ、そして愛犬とともに気温105°の部屋に入りました。(これって、かなり熱いですよね!!!)
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その15分後、卵は固ゆで、ステーキはかりかり焼けているのに、人間と犬は元気に歩いて出てきた。
なぜでしょうか?
それは、汗をかくことが出来るからですよね!
例えば体重70kgの人が炎天下で10分いると大体、体温が1度上昇するが100gの汗を蒸発すると体温を維持することが出来ます。
つまり、大量の水分も失う事になる。
2,体温調整とは?
大体、一時間で最大3リットル失うこともあり、1日でおよそ10リットル水分を放出することもあります。
実は普通にして、暑さを感じてない時でも、1日に1リットル位は水分が失われているんですね。
ただ、重要なのは、こうした失われた水分を補う事ばかりに神経がいきます。
ですが、ここで大切なのが体温を下げるには、出てきた汗が蒸発しないといけません。
こうして、体温が上昇する事をうつ熱と言います。
熱中症とは、本来汗をかいて蒸発する汗が蒸発せずに、体温が上昇して、うつ熱がたまります。このうつ熱が上昇することにより体の体温調整機能が破たんして熱中症にかかります。
これが、熱中症にかかるメカニズムです。
だから、湿気の多い日は気をつけないといけません。勿論乾燥している時でも暑くないからといって水分を補わないと脱水症状を起こします。
熱中症のイメージは、血管の横を走っている神経が血管の体温上昇で熱くなってオーバーヒートを起こしているイメージです。神経がやられると全身の機能が落ちてしまいます。電気製品と同じで神経系統がやられてしまうんですね。
5,うつ熱に対する処置
①先ず、身体を冷やす。
水をかけて、風をおくって熱を気化熱で奪いましょう。
場所は特に日陰の方が良いでしょう。
わきの下や足の付け根に冷たいものをおき、血液を冷やします。
②水を少しずつ与えましょう。
多すぎると、胃がびっくりして嘔吐します。
③救急車を呼びましょう。
ここは119番ですね。
焦らず落ち着いて救急隊員に説明して下さい。
6, 熱中症を防ぐための8か条
それでは、うつ熱というメカニズムを知ったうえで熱中症を防ぐための8か条を見ていきましょう。日本体育協会が推薦している考え方です。
1.熱中症の種類
①.熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下。脳血流が減少して起こる。
症状:
- めまい、失神などがみられる。
- 顔面蒼白で脈は速くて弱い
- 突然の意識の消失を発症
②.熱疲労:多汗により脱水症状
症状
- 脱力感、倦怠感
- 頭痛、吐き気、めまい
- 一過性の意識障害
- 皮膚は冷たい
- しっとりした冷や汗が出る
- 体温の上昇を伴う(39度)
③.熱痙攣:大量に汗をかき水だけを補給して血液の濃度が低下したときに筋肉の痙攣がおこる
症状
- 痛みを伴う筋痙攣が起こる
④.熱射病:体温上昇のため中枢機能が異常をきたきたした状態
症状
- めまい、頭痛、体力低下
- 突然倒れて意識不明になる
- 発汗は停止する
- 急激な体温上昇を伴う
2.暑いとき無理な運動事故の元
熱中症には気温、湿度、風速、輻射熱(直射日光)などが関係します。
総合的に評価する指標がWBGT(湿球黒球温度)です。同じ気温でも湿度が高いと危険性が高いです。
3.急な暑さは要注意
暑熱馴化が関係します。特に合宿1日目は注意が必要です。
4.失った水と塩分を取り戻そう
0.2%程度の食塩水が適当。これは、次回の話で詳しくお伝えします。
5.体重で知ろう健康と汗の量
体重の3%の水分が失われると運動能力や体温調節が低下する体重減少が2%を超えないように水分を補給しましょう。
例えば60キロの選手であれば3%は1,8キロです。なので58,2キロになるとアウトですね。
6.薄着ルックでさわやかに
競技によっては、夏でも長袖を切る場合もあります。
休憩の時間があれば、シャツは変えて下さい。うつ熱が溜まる事を防ぐ役目もあります。
7.体調不良は事故のもと
これは、夜更かしなどをして睡眠不足で、練習すると思ってもいないほど体の不調を訴えやすいです。また、深酒した次の日は危険です。アルコールが残った状態では、より熱中症に申告度合いが増します。
また、二日酔いで頭痛がある場合、薬を服用するケースがあります。ですが、この場合脱水症状を伴っている場合もあり、頭痛が取れたと安心するのは危険です。
それは、汗をかくための水分が体内には少ないからです。
8.あわてるな、されど急ごう救急処置
それでは、対処方法について説明致します。
- 熱失神、熱疲労:涼しい場所に運足を高くする。点滴もよい
- 熱痙攣:生理食塩水(0.9%)を補給すれば回復します。衣服を緩めて寝かせる。水分補給を行いましょう。
- 熱射病:首、わきの下、足の付け根を冷やして病院へ向かいましょう。
7、身体を冷やすことの大切さ
良くある話でサイクリストやランナーが走り終えた直後で心臓発作を起こすことがあります。
それは急に運動をやめて、風による空気の流れが突然止まると、体外に放出される熱の量が減って、体温が急にあがることが十分に考えられます。
よって、日陰でのクールダウンが必要になってきます。
8,まとめ
では、熱中症についてのまとめです。
・人間の体温は37度→脳の温度
・体温維持=汗+汗の蒸発→水分補給
これで、暑い夏も熱中症に気をつけて乗り切りましょう!
また、水分補給については、下記もご参照下さい。
→熱中症対策の水分補給に利くスポーツドリンク5選
こちらが、書籍として参考にしたい1冊です。
熱中症対策マニュアル