1,足関節と膝関節における解剖学とケガのメカニズムについて
今回は、足関節と膝関節の解剖からケガの種類まで紹介しています。
下半身のケガの中では、割と多く傷害・障害が発生しやすい場所ではないでしょうか?特にサッカーやバスケ・フットボールもケガが発生しやすい部位ですね。
それでは、最後までお付き合い下さいませ!
1,足関節編
足関節のケガと言えば、捻挫ですね。
比較的ケガの発生しやすい部位が足関節です。よく捻挫をそのままにしてしまうケースも多いのも捻挫です。筆者もそのパターンで色々なとこが痛くなったパターンです。
主な骨について
- 脛骨:内顆
- 腓骨:外果
- 距骨
主な傷害例
- 疲労骨折
- 外/内果骨折
主な靭帯について
- 前距腓靭帯 :距骨と腓骨をつなぐ
- 後距腓靭帯 :距骨と腓骨をつなぐ
- 三角靭帯 :脛骨、踵骨、距骨、舟状骨
前距腓靭帯
後距腓靭帯
主な傷害例
- 外反捻挫
- 内反捻挫
主な関節について
- 距腿関節:距骨、脛骨、腓骨
- 距骨下関節 :距骨、踵骨
主な筋肉について
底屈:腓腹筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、長腓骨筋、短腓骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋
背屈:第3腓骨筋、前脛骨筋
内反:腓腹筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、前脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋
外反:長腓骨筋、短腓骨筋、第3腓骨筋
主な傷害例)
- シンスプリント(脛骨・疲労性骨膜炎)
- コンパートメント症候群(脛骨前区画症候群)
- アキレス腱断裂
- 腓腹筋断裂
傷害・障害について
骨-①:疲労骨折
メカニズム:同一部に対する多数回の繰り返しのストレス
所見/症状:下腿の痛みと腫れ。また、運動痛。
応急処置 :RICE
スポーツ :陸上競技、バスケやバレーなど
骨―②:外・内顆骨折
メカニズム:足首を強く捻る。
所見/症状 :痛みや腫れ。歩行障害。
応急処置 :RICE→病院
スポーツ :スポーツ全般
靭帯―①内反捻挫
メカニズム:ジャンプ等着地の際に足首を内側に捻る。
所見/症状 :腫脹,皮下出血,圧痛
応急処置 :RICE
スポーツ :スポーツ全般
靭帯―②外反捻挫
メカニズム:ジャンプ等の着地の際に足首を外側に捻る。
所見/症状 :腫脹,皮下出血,圧痛
応急処置 :RICE
スポーツ :スポーツ全般
筋肉―①シンスプリント(脛骨疲労性骨膜炎)
メカニズム:練習を始めたばかりの時期。固いアスファルト
所見/症状 :下腿内側の中下1/3での5~10cm位での痛み
応急処置 :RICE
スポーツ :スポーツ全般
筋肉―②コンパートメント症候群
メカニズム:疲労性、打撲等により区画内の圧が高まり神経・血管を圧迫。
所見/症状 :下腿内側の痛み、母子の伸展、足部の背屈が出来ない。
応急処置 :RICE→病院
スポーツ :コンタクトスポーツなど
筋肉―③アキレス腱断裂
メカニズム:膝屈曲位、足背屈位での急激な膝の伸展によるケース
所見/症状 :POP音、後ろからアキレス腱を蹴られた感じ。
応急処置 :RICE、固定→病院
スポーツ :バレー、バスケ、テニス
筋肉―④腓腹筋肉離れ(テニス・カフ)
メカニズム:下腿三頭筋伸張時から急激な筋収縮。
所見/症状 :腫脹と圧痛、足首を動かすと痛む。
応急処置 :RICE
スポーツ :テニス
2,膝関節について
続いて膝関節編です。膝関節は足関節と股関節を繋ぐ大切な関節です。そのため、この2つを繋ぐ関節として影響を受けやすい反面も持っています。
主な骨について
- 大腿骨:大腿骨内/外側顆
- 脛 骨:脛骨粗面、ガ足、脛骨内/外側顆
- 膝蓋骨:膝のお皿
- 腓 骨:腓骨頭(膝関節には含まない)
骨の主な傷害
- 膝蓋骨骨折
- 大腿骨骨幹部骨折
主な靭帯について
- 前十字靭帯(ACL) :大腿骨、脛骨
- 後十字靱帯(PCL) :大腿骨、脛骨
- 内側側副靭帯(MCL):大腿骨と脛骨
- 外側側副靭帯(LCL):大腿骨と腓骨
- 膝蓋靱帯 :大腿骨と膝蓋骨
- 腸径靭帯 :大腿筋膜張筋と脛骨
主な傷害
- 前十字靭帯損傷:大腿骨と脛骨を結ぶ
- 後十字靱帯損傷:大腿骨と頸骨を結ぶ
- 内側側副靭帯損傷:大腿骨と頸骨を結ぶ
- 外側側副靭帯損傷:大腿骨と腓骨を結ぶ
- ジャンパーズ・ニー(膝蓋靱帯炎):膝蓋骨と大腿骨
- ランナーズ・ニー(腸径靱帯炎):大腿筋膜張筋と脛骨を結ぶ
主な関節について
- 脛骨大腿関節 :脛骨と大腿骨
- 膝蓋大腿関節 :大腿骨と膝蓋骨
主な関節の障害
- 膝蓋骨脱臼
- 膝蓋骨軟化症
主な筋肉と動きについて
屈曲:大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋
伸展:大腿二頭筋、半腱様筋、半健様筋
主な傷害例)
- 肉離れ
特別なもの
・半月板
機能:頸骨の表面を広くすることで、膝関節の安定性を向上する。
主な傷害例
- 半月板損傷
主な傷害・障害について
骨―①:膝蓋骨骨折
メカニズム:膝の皿をどこかにぶつける。四頭筋の強烈な収縮。
所見/症状:痛み、腫れ。伸展傷害、歩行困難。
応急処置:RICE→病院
スポーツ:コンタクトスポーツなど
骨―②:大腿骨骨幹部骨折
メカニズム:強い外力が大腿骨にぶつかる。
所見/症状 :痛み、腫れ。開放性骨折あり。
応急処置 :固定→RICE→病院
スポーツ :コンタクトスポーツ
靭帯―①:十字靭帯損傷
メカニズム:ACL:・脛骨が強制的に前方へ移動する。
・急激な減速や方向転換。
PCL:脛骨が強制的に後方へ移動する。
所見/症状:膝が外れるような感覚。腫脹、可動域の減少。
応急処置:RICE→病院
スポーツ:バレー、バスケ、ラグビー
靭帯―②側副靭帯損傷
メカニズム:MCL:膝の外側から強いストレスがかかる。
LCL:膝の内側から強いストレスがかかる。
所見/症状:激しい痛み、腫脹。何かが弾けるような感覚。
応急処置:RICE
スポーツ:コンタクトスポーツ
靭帯―③ジャンパーズ・ニー(膝蓋靱帯炎)
メカニズム:ジャンプ動作による膝の腱の酷使。
所見/症状:膝蓋骨下部の圧痛。屈曲時における痛み。
応急処置:RICE 1~2wの休息
スポーツ:バスケ、バレー
靭帯―④ランナーズ・ニー(腸脛靱帯炎)
メカニズム:ランニング動作で靭帯と骨がこすれる。
所見/症状:大腿骨外側の圧痛と運動時痛
応急処置:RICE ストレッチ
スポーツ:陸上競技
関節―①膝蓋骨脱臼
メカニズム:コンタクト等の激しい衝突。(外側へ)
所見/症状:変形と出血と腫れ。力が入らない。
応急処置:RICE→病院
スポーツ:コンタクトスポーツ
関節―②膝蓋骨軟化症
メカニズム:膝蓋骨の軟骨と大腿骨の前面が擦れて炎症を起こす。
所見/症状:引っかかり、外れる感じ。クリック音
応急処置:RICE
スポーツ:
筋肉―①肉離れ
メカニズム:筋伸張時~収縮時に急激な力がかかったとき。
所見/症状:痛み、圧痛、凹み。伸ばすと痛む。
応急処置:RICE
スポーツ:スポーツ全般
特別―①半月板損傷
メカニズム:膝屈曲位でねじりが加わった際に受傷する。
所見/症状:可動域制限、ひっかかり感。
応急処置:RICE
スポーツ:スポーツ全般
3,まとめ
さて、今回の足関節と膝関節のテーマは如何でしたか?足首と膝のケガの全体像が掴めたのではないでしょうか?
少しでもお役に立てば嬉しいです。