2,腰部と股関節における解剖学とケガのメカニズムについて
さて、今回のブログでは腰部と股関節のケガについて解説していきます。
腰痛は成人の8割が体験すると言われています。特にアスリートであれば必ず体験するといっても過言ではないでしょう。
1,腰部について
腰は身体の要。急性のケガよりも、慢性的な痛みが多い部位かもしれません。
主な骨について
椎体(L1~L5):棘突起、横突起、椎弓
主な障害
- 脊椎分離体
- 脊椎すべり症
主な靭帯について
棘上靭帯
棘間靭帯
主な関節について
椎間関節
主に腰椎と腰椎の間の関節の事を指します。
腰部の主な動きと筋肉について
屈曲(立った状態から、体を後ろへ反る):腹直筋
伸展(立った状態から体を前へ倒す):脊柱起立筋
側屈(体を左右どちらかに倒す):外/内腹斜筋、腰方形筋
主な傷害
- 筋・筋膜性腰痛症
- 急性腰痛
特別なもの
椎間板
解剖:椎体と椎体の間にある軟部組織
機能:椎体間におけるねじれや全ての負担を分散させる。
主な傷害例
- 椎間板ヘルニア
傷害・障害について
骨―①脊椎分離症
メカニズム:成長期における椎間関節突起部の疲労骨折
所見/症状:腰椎を反らすと痛む。
応急処置:
スポーツ:
骨―②脊椎すべり症
メカニズム:分離した椎弓が前方へ移動する。
所見/症状:腰椎を反らすと痛む。
応急処置:
スポーツ:
筋肉―①筋・筋膜性腰痛症
メカニズム:オーバーワークによる筋の疲労によるもの。
所見/症状:慢性的な腰痛。
応急処置:安静
スポーツ:
筋肉―②急性腰痛(ぎっくり腰) ※魔女の一撃
メカニズム:ある姿勢や急激な動作で突発的におこる。
所見/症状:突発的な痛み。また、力が入りにくい。
応急処置:安静肢位にてRICE→病院
スポーツ:
特別―①椎間板ヘルニア
メカニズム:腰部への負担による椎間板の突出。
所見/症状:下肢へのしびれ。また、力が入りにくい。前屈で痛む
応急処置:HP
スポーツ:
2,股関節について
さて、股関節についてですが、この関節は人体の中でも関節の動きも大きく関わる筋肉も多いです。
様々なスポーツも股関節の動きで、結果が変わる位大切な部位ですね!
主な骨について
腸骨:上/下前腸骨棘、腸骨稜
仙骨:仙骨底
坐骨:坐骨結節
恥骨:恥骨結合
大腿骨:大転子、小転子、大腿骨頚部、大腿骨頭
主な障害
- 骨盤骨折
- ヒップポインター
- 変形性股関節症
主な靭帯について
腸骨大腿靭帯:腸骨と大腿骨
恥骨大腿靭帯:恥骨と大腿骨
坐骨大腿靭帯:坐骨と大腿骨
主な関節について
股関節 :寛骨臼と大腿骨
仙腸関節 :仙骨と腸骨
主な障害
- 股関節脱臼
主な筋肉について
屈曲:腸腰筋 縫工筋 大腿四頭筋
伸展:大殿筋 ハムストリングス
外転:中殿筋 小殿筋 大腿筋膜張筋
内転:恥骨筋 短内転筋 長内転筋 大内転筋 薄筋
外旋:深層外旋六筋
内旋:中殿筋 小殿筋
主な障害
- 梨状筋症候群
主な神経/血管について
坐骨神経
主な障害例)
- 坐骨神経痛
傷害・障害例
骨―①骨盤骨折
メカニズム:何か大きな力が骨盤にぶつかる。
所見/症状 :激しい痛み、圧痛、腫れ。跛行
応急処置 :RICE→病院
スポーツ :コンタクトスポーツ、スキー、スノーボード
骨―②ヒップポインター
メカニズム:ぶつかる、転倒等大きな外力があたる。
所見/症状 :痛み、圧痛、腫れ。
応急処置 :RICE
スポーツ :コンタクトスポーツ
骨―③変形性股関節症
メカニズム:年齢や運動、外傷の負荷によるもの。
所見/症状 :関節が硬くなる。
応急処置 :
スポーツ :
関節―①股関節脱臼
メカニズム:股関節屈曲、内転、内旋時に大腿骨を後方へ押す力が働く。
所見/症状 :股関節屈曲、内転、内旋。激痛、自動運動不可。
応急処置 :RICE→病院
スポーツ :コンタクトスポーツ
筋肉―①梨状筋症候群
メカニズム:坐骨神経が梨状筋によって圧迫される。
所見/症状 :下肢放散痛。しびれ。
応急処置 :RICE→ストレッチ
スポーツ :
特別―①坐骨神経痛
メカニズム:梨状筋症候群や椎間板ヘルニアによるものと言われている。
所見/症状 :上記と同様。
応急処置 :
スポーツ :
3,まとめ
さて、腰部と股関節のケガのメカニズムは如何でしたか?特に腰部は腰痛という人間が直面する痛みが出るポイントです。
腰部と股関節は隣接する関節同士です。腰部の痛みであっても、股関節からというのもあり得ます。もちろん、逆も然りです。